BLUE: A TRIBUTE TO YUTAKA OZAKI (曲評)
No.12
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分類:アルバム(トリビュート) 発売元:SME RECORDS(SECL67/\3,059)
------------------------------------------------ 【ダンスホール】by Cocco 評判の高さは見聞きしていたものの、彼女の歌をちゃんと聴いたことはなかった。 不思議な空気を持つ人。歌詞を見ると、男っぽい言い回しの曲なのに、不思議と違和感はなく、やさしい雰囲気にしあがっている。
【僕が僕であるために】by Mr.Children まるで彼らの曲であるかのようにはまっている。新曲です、って言ったら信じる人多いんじゃないの?というくらい。実は私、決して彼らが好きではないのだが、この曲へのはまり方はすごい。曲とミスチルが、互いのいいところを引き出している感じがする。 この曲は私も、日常的に口ずさむほど好きな曲であるだけに、このめぐり合わせには感謝したい。
【路上のルール】by 橘いずみ 尾崎の、それもアップテンポの曲を、女性が歌う???絶対いいものになんてならない、という私の予想を裏切ってくれた曲。彼女についてはこれまた全然知らないけれど、「歌い放つ」といった感じのボーカルが印象的。ロックを感じさせる、いい曲になった。 須藤氏も解説に書いているけど、女性が尾崎のアップテンポの曲を歌うのは難しい。力と勢いで歌うような曲が多いから。それがわかっているから、私はよほど慣れた人の前でしか、カラオケでも彼のこの手の曲は歌わない。しかも、とても歌いたい気分になったときだけだ。橘さん。やるな。
【十七歳の地図】by 175R 今をときめく若者バンド(笑)やはり勢いがありますな。しかしつい、飛ばして聴いてしまうのは、彼らのせいではなく、私がこの勢いというか若さについていけないだけです。
【I LOVE YOU】by 宇多田ヒカル ブックレットを読んでわかったのだが、このボーカル部分は、彼女が十七歳当時のライブでの録音だそうだ。ライブ?ライブなのこれ?こ、このクオリティの高さは一体なんだ???完全にこの曲を自分のものにしている。恐るべしヒッキー。この曲は彼女に歌ってもらって良かった。
【太陽の破片】by 岡村靖幸 さあ、真打登場(笑)発売前から、須藤氏もことあるごとにこの組み合わせに触れていた。尾崎の曲を、岡村が歌う。リアルタイムに尾崎のファンだった者には、これだけで感慨深い。そもそも私に岡村靖幸を知らしめたのはほかならない尾崎だった。ライブイベントで、岡村のステージに尾崎が乗り込まなければ、一生岡村には出会わなかったかもしれない。「この岡村って人、ダレこれ?」から、まさか十数年、私の心を岡村ちゃんがこんなにひきつけるとは!!! 尾崎と岡村、互いが互いに、数少ないミュージシャン仲間で、夜遊び仲間。だからこそ、このトリビュートアルバムに参加する岡村の想いがどんなものなのか、想像したくなる。・・・といっても、彼の考えていることはいつも全くわからないのだが(笑) さて、肝心の曲。・・・やってくれたね岡村ちゃん♪岡村ちゃんを知らない人は、この曲を「キモッ」と言って飛ばして聴くに違いない(笑)。メロディーラインまで変えるなよ岡村ちゃん(爆笑)さすがだ。 須藤氏も絶賛していた。解説にも「天才岡村」「彼のファン」と名言していて、嬉しい限り。私も思わずニヤリとして、それからじーんとした。岡村の得意技の一つである、弾き語り調。岡村にとって尾崎の曲は、こんなふうなんだ。多分、一昨年までの岡村ちゃんなら、尾崎の歌を歌うことはできなかったと思う。今だから、こうやって歌うことができるんだね。尾崎を失ったという事実を、岡村ちゃんがきちんと受け止めて、消化している、という気がする。
【LOVE WAY】by 大森洋平 えーと、これ誰ですか?(超失礼)いやでも驚いた。いい歌い手だ。訴える力がある。この曲こんなにいい曲だったんだなー。こういうメッセージ性の強い曲を、素直に歌おうとすると、尾崎の真似になるか、やっぱ他の人じゃだめだなーって感じになりがちだと思うんだけど。That's Rock Spirit。ぐっと迫ってくるものがあって、不覚にもこれ聴きながら涙が出そうになった。電車の中で。
【街路樹】by 山口晶 これまた誰?なんだけど。これは須藤さんにやられた。この曲を、このタイプの人に歌わせるとは。私にはなじめない声と歌い方だけど、決して質が悪いわけではない。尾崎の曲にも、こういう表現方法もあるんだなー。
【OH MY LITTLE GIRL】by 竹内めぐみ 超有名曲「I LOVE YOU」ももちろんいいけれど、私はこの曲のほうを先に知ったので、尾崎のバラードというとこの曲のイメージだ。とてつもなくベタ甘なラブソング。聴いてるほうが照れるくらいの。ここで女性ボーカルを入れることで、アルバム全体がいいバランスになっている。竹内サンの歌は可もなく不可もなくといった感じだけど、この曲の甘さを損なわなくていいんじゃないかな。
【闇の告白】by 斉藤和義 これは、原曲を聴いてない。6タイトル目にしてラストアルバム「放熱への証」に納められているからだ。この頃の私は、「ふーんアルバム出したんだー。でも聴かない〜。頭冷やしやがれ」などと不遜なことを思っていたような気が・・・(苦笑) しかしこの斉藤氏バージョンを聴くと、いい曲のような気がしてきた。うーん、そのうち、原曲を聴いてみてもいいかなー・・・どうかなー・・・。
【Forget-me-not】by 槇原敬之 ミスチル、ヒッキーと並んでもうすっばらしいの一言。これ以上の組み合わせはありえない。もともとこの曲は好きで今でもカラオケで歌うし、歌って欲しいと頼まれる曲でもある、嬉しいことに。もともと儚くて切なくて、歌っている最中に泣きたくなる曲だけど、マッキーの歌声がぴったりはまって、美しい曲になった。曲と歌い手の、ものすごく幸せな出逢い。 マッキーの今のマネージャーは、尾崎のマネージャーをしていた人だそうな。いつごろの人だろう。尾崎のマネージャーといえば、初代(たぶん)のソラチだなー。尾崎はよくソラチをネタにしていて、ファンにとっても親しみある存在だった。彼がマネージメントから外れたときにはMCだったかインタビューだったか忘れたけど、尾崎のコメントがあったように思う。
【15の夜】by Crounching Boys 尾崎と須藤氏の、二人の息子達が組んだユニットとして、発売前から注目されていたのだが・・・。正直、あんまり興味ない。もう15歳になるのかー息子。大きくなったなー。と思うだけで。ただ、父親があの「尾崎豊」である、ということについてどう思っているんだろう、ということに興味はあったけど。 重くてうっとうしいのか、誇りに思うのか。ところが、息子はアメリカで育ったそうで。尾崎の存在を意識することは、あんまりなかったんだろうな。父親といっても、全く覚えてないだろうし。「暖かい家庭」を築く理想を持ちながら、それをなしえなかった尾崎のことを考えると、息子が彼を拒絶することなく、こうやってトリビュートに参加したことは良かったな、と思う。 曲そのものについては、「歌」でないこともあって、うーん・・・なんとも思わない。おまけって感じかな。
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2004/03/26
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